[285] フォローアップ研修  2006.8.5  23:48:22   
18/8/5(土)猛暑

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今日の北半球を燃やした夕日


先週の土曜日(7/29)に「東京都介護支援専門員研究協議会」主催の「フォローアップ研修」を受講した。

この研修は去年合格し、実務研修を終了した新人を対象にしているが、私もこの1年さまざまな研修を受けて、混乱しているので初心に戻ってこの1年の経験を踏まえてもう一度勉強してみようと心新たに受講した。

「介護サービス計画(ケアプラン)作成の基本的考え方」

講師は武蔵野大学教授 佐藤信人氏(元厚生労働省 介護支援専門官)
会場は「晴海アイランド トリトンスクエア」「第一生命ホール」
参加費 3000円(参加人数 約500人)

私達、ケアマネは煩雑な書類作成に難渋している。
こんな難解な法令を作った厚生労働省の役人を呪っている。
こんな難解な作業が無ければ人間(利用者)にもっと接触して
良い仕事が出来ると思う。

でも、たくさんの識者が参集して知恵を絞った結果だろうから、
唯諾々と従うしか無いのだろうと諦めていた。

ところが!!!!
この「冴えないおじさん」がたった一人で作ったそうである。
司会者が彼は「ケアマネの父」「居宅介護支援の生みの父」
そして「シャンソン歌手」と紹介した。
赤坂で歌っているそうだ。最後に1曲お願いしますと司会者がお願いしたが辞退なさった。

ケアマネは利用者毎に
①基本情報
②課題分析(アセスメント)
③第1表 (居宅サービス計画書(1)
④第2表 (居宅サービス計画書(2)
⑤第3表 (週間サービス計画表)
⑥第4表 (サービス担当者会議の要点)
⑦第5表 (サービス担当者に対する照会(依頼)内容)
⑧第6表 (居宅介護支援経過)
⑨第7表 (サービス利用票(兼居宅サービス計画)
⑩第8表 (サービス利用票別表)
⑪第9表 (サービス提供票)
⑫第10表(サービス提供票別票)
の書類を作成しなければならない。

そして私は始めて聞いたが、1,2,3表は利用者に渡すものだそうだ。
私は利用者に見てもらって印鑑を押印して貰いケアマネが保管すると聞いていた。
1,2,3表は少なくとも長期目標の3ヶ月毎(後記:6か月?)に作成しなければならない。
毎月7,8表は利用者に渡しているが、それさえも利用者は見ていないし要らないと言う人が多い。

1,2,3表を利用者に渡すって事は真実は書けないって事だ。
佐藤氏も本音は6表に書いて下さいだと。
それどう言う事、意味無いじゃん。

その他にもまだまだあるが、今のところ私達(非常勤)はやっていない書類作成がある。

多分まじめに取り組めば、一日の大半はパソコンの前でデスクワークしなければならないだろう。

ケアマネはその他に利用者の要望、変化で直ちに駆けつけなければならない。
主治医や他事業者や役所に連絡したり雑用も種々発生する。
私は新人なので、一つ一つ丁寧に応対しているので、10件しか持っていないが多忙でいつも追われている。

ケアマネ(私)にとって何が困難かと言えば多分「第2表」と「第4表」だろう。
介護される老人は介護されても今日より明日が状態がよくなるとは思えない、
じょじょに弱っていくんだと思う。

それなのに、
援助目標を長期(3ヶ月~6ヶ月)短期(1ヶ月)(後記:3か月?)と定めなければならない。
それを3ヶ月毎ないし変化のある毎にアセスメント(課題分析)し
モニタリング(サービス継続中のアセスメント)しなければならない。
単なる、目標ではどうしていけないのだろうか。

そして極めつけの困難は「第4表」のサービス担当者会議だ。
利用者に関わる関係者に参集してもらっていかに援助するか会議するのだ。
一人の介護老人の為に忙しく働いている人達に参集して貰って会議を開く。
利用者に変化がある度に開催して介護計画を変更しなければならない。
しかも、参集しても日当も交通費も出ない。

関係者の中には主治医もいる、日本中でこの会議に参加してくれる
医師が何人いるでしょうか。
出席出来ない時は「第5表」に理由を書いて貰わなければならない。

99%不可能な事をなぜ法令化して我々ケアマネを苦しめるのだろうか。
これはきっと机上の計画に違いないと思っていた。
我々は厚労省の役人は現場の事を何も知らないのだ、
現場の声も取り入れるべきだと思っていた。

然るに彼はこの法案は全て自分一人で作ったと言う。
「私はこの表はこれこれ、こう思って作りました」と1表1表の説明をした。
複数の話は一切無かった。

彼は「私は現場もよく知っています」と言った。

私は底辺の人間なので、中央省庁は雲の上の事で何もわからないが、国民にとって大事な法案は識者を集めて衆智を極めるものとばかり思っていたが、たった一人の冴えないおっさんが「しこしこ」と作るんだ。
それが国の隅々まで多大な影響を及ぼすのだ。

因みに、彼の学歴は
「東洋大学大学院社会学研究科博士課程前期終了」
「中部学院大学大学院人間福祉学研究科博士課程後期修了」

現在は退官して「武蔵野大学現代社会学部教授」
そして自分の造った居宅介護支援の仕組みを教授して、
休みにはこうして講演しているわけね。

あなたのおかげで全国のケアマネがやる気を失っていますよ。

10時40分から午後4時までの講義で受講する方も疲れたが
先生もお疲れのようで、最後の方は時間切れで端折って終わったが、
彼、弱気になってこんな事を仰った。

「私の考え方に批判勢力がある」
「私の考え方が絶対正しいとは思っていません、でも良い所もちっとはあると思っています」そうです。

この4月に改正された介護保険、問題大有りで、
底辺で働く人達の事が少しも考慮されていません。

仕事はあってもヘルパーやる人が居ません。
多分ケアマネやる人もますます少なくなるでしょう。
ケアマネ制度も破壊されるような気がしております。
この件についてもいつか考察してみるつもりです。

私は、まだまだヒヨコで目先の事しか判らず、
他の介護職の方々の意識もわからないですが、
大いなる矛盾を感じています。